日本人および日本文化の起源に関する学際的研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP09208105 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 09208105
- 研究種目
- 特定領域研究(A)
- 配分区分
-
- 補助金
- 研究機関
-
- 国際日本文化研究センター
- 研究期間 (年度)
- 1997 〜 2000
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 57,000,000 円 (直接経費: 57,000,000 円)
研究概要
先史時代以降、日本列島に展開した様々な文化伝統とそれらの担い手としてのヒトの集団について、主として起源(歴史性)という切り口から学際研究を行った。研究はほぼ計画通りに実施され、4年間に合同シンポジウム7回、国際シンポジウムおよび関連学会等との共催によるシンポジウム等がそれぞれ4回開催された。国際日本文化研究センター内にはプロジェクト室が設置され、ニュース・レター「日本人と日本文化・その起源を探る」(和文16冊・英文2冊)を発行し、研究発表、情報交換および成果の広報をはかった。シンポジウム等の活動状況についてはホームページにより公開し、班員同志、あるいは一般の人とも情報交換を図った。なお、ニュースレターおよびホームページ、活動記録を集成したCD-ROMを作成した。主な研究成果は次の通りである。 (1)数万年前以降の日本列島の気候変動が明らかにされ、大規模な火山噴火の正確な年表が作成された。(2)DNA考古学という新たな学際的研究分野が立ち上げられ、DNAによる縄文時代の栽培植物や家畜の存在に関する検証が行われた。また、縄文人と弥生人が異なる集団に由来することも確認された。(3)現代アジア人集団のDNAの比較研究は、考古学の成果と共に縄文人の北方アジア起源説を示唆する。(4)考古学と人類学との共同発掘によって、縄文文化の伝統が大陸の新石器時代文化の影響を受けて弥生文化を生み出す過程が明らかにされた。(5)いわゆる前期旧石器のねつ造問題を考古学と人類学の両面から検証した。(6)様々な日本文化をアジアの諸地域に由来する部分と日本列島で独自に形成された部分とに分ける試みがなされた。(7)柳田国男の「海上の道」を考古学や民俗学の最新資料によって検証し、南島を北上した弥生以前の稲作文化の存在について新たな知見がえられた。