少年非行における集団影響過程の分析―反規範的志向性の生成とその作用―

研究課題情報

体系的番号
JP12837003 (JGN)
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)

科研費情報

研究課題/領域番号
12837003
研究種目
基盤研究(C)
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 少年非行
研究機関
  • 尚絅女学院短期大学
  • 東北福祉大学
研究期間 (年度)
2000 〜 2002
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
3,600,000 円 (直接経費: 3,600,000 円)

研究概要

本年度は、調査の実施、質問紙データの回収実行及び結果の分析に当たった。 本研究は、非行少年の反規範性が集団過程のなかで、いかにエスカレートしていき、そして非行に至るのかを分析することが目的である。 我々が考えたトルネード仮説は集団の中で非行化が形成されるという考えである。非行化の基本的流れは、(1)ある程度非行性(特に反社会的規範意識)を帯びた少年が、集団を形成し、(2)反社会的価値観を柱として、(3)互いに悪影響を与える形で反社会的規範意識を反社会的行動に発展させていく、そして(4)一度形成された規範意識は、少年たちを拘束する。特に(3)はダイナミックに形成されるので、以上の過程をトルネードと命名した。 方法としては、1 非行少年は予め質問項目を定め、少年院の教官に面接していただくという形式を取った。本年度は、仙台と盛岡の男子少年院で70名のデータを収集した。 2 比較のために一般群として大学生、および専門学校生に集団に関する質問紙を集団形式で、専門学校生に290名実施した。 現在、1と2のデータを分析し、結果の一部は平成14年に日本犯罪心理学会において発表した。結果の一部を以下に示す。 まず、非行少年は刹那性が高い。その場限りの行動をする傾向がある。 少年院に収容されている少年であるから、反規範性が高いのは間違いないが、そのほかの特性としては、刹那性が高いという傾向が見られた。規範軽視で、物事を深く考えない傾向の少年が集団をまずは形成している。集団に共通の価値観は驚くほど反社会的なものが多く、互いに悪影響を与えあい、反規範性が反社会的なものに発展していったと考えられる。トルネード仮説の一部分である社会的カテゴリー化に関しては、非行少年は集団を他集団と区別するために言葉遣いやネーミング、そして髪や持ち物を同じ色にするなどのカテゴリー化が見られた。また、仲間が遊んでいると自分も仕事を辞めるなどの傾向の強さに、非行少年の集団への帰属感の強さ(少年にとって集団が自我中核的)が示されている。

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