IT等の科学技術の視点を踏まえたいスラム問題の現状と今後の展開に関する研究

研究課題情報

体系的番号
JP15252001
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)
研究課題/領域番号
15252001
研究種目
基盤研究(A)
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 総合・新領域系 > 総合領域 > 科学社会学・科学技術史 > 科学社会学・科学技術史
研究機関
  • 早稲田大学
研究期間 (年度)
2003 〜 2005
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
32,110,000 円 (直接経費: 24,700,000 円 間接経費: 7,410,000 円)

研究概要

本研究は、イスラム社会の変動を科学技術の視点から分析することを目的とする。具体的には、1)イスラム世界を歴史と現代に至る技術革新の流れの中で概観し、2)IT等の科学技術がもたらす「一様化」と個別化がもたらす「多様化」の双方からイスラムの社会経済・文化の問題を分析する。 1)では、マムルーク朝の文献資料を基に農業分野の技術革新を分析し、エジプトが砂糖産出国に変貌していった過程に焦点をあて、イスラム文化が実践性と受容性に富んでいる背景を明らかにした。また、今日のイスラム系のウェブサイトが英語とアラビア語を駆使して双方向性のコミュニケーションに成功している事実を明らかにした。 2)では、イスラム地域でのワークショップやフィールド調査等を通じて、以下の成果を得た。 (1)経済・ビジネス関連:民主化推進派と保守強硬派がせめぎあう中で、科学技術を意識した湾岸諸国は、石油依存経済からの脱却と産業の多角化を進め東アジア等との経済関係を強化したが、イスラム地域全体としては取組みが停滞している点、トルコでは経済改革を通じEU加盟を現実化させる方向に進んでいることが逆に西欧キリスト教国に対しイスラム的努力をどれだけ受容できるのかという新たな問題を提起した点、また、イスラム金融が東アジアの金融取引において看過できない動きとなっている点等を明らかにした。 (2)情報・技術関連:ITの進展とともに、インターネットが過激派のサイバー・テロ手段となる傾向も顕著となった点を具体的に捉えた。 (3)社会・文化関連:エジプトでは、電子化政策の推進が文化財保護行政にプラスしている点、東南アジアでは、インドネシアのユドヨノ政権の成立過程でイスラム団体を含む民主化勢力の貢献が見られた点、マレーシアでは海外からの投資を梃子にした人材育成やハイテク産業の育成及び中等教育に主眼を置いた教育体系も科学技術と経営を重視してきた点等を明らかにした。

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