サバクトビバッタの相変異:群生相が砂漠で大型卵を産む生態学的意義の解明
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- 前野 浩太郎
- 研究代表者
- 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター
研究課題情報
- 体系的番号
- JP15K18808 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 15K18808
- 研究種目
- 若手研究(B)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 生物系 > 農学 > 境界農学 > 昆虫科学
- 研究機関
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- 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター
- 京都大学
- 研究期間 (年度)
- 2015-04-01 〜 2018-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,160,000 円 (直接経費: 3,200,000 円 間接経費: 960,000 円)
研究概要
サバクトビバッタの母親は群生相化すると産卵数を減らす代わりに、大型の卵を産むことが知られており、本申請者はこの相変異が関係した繁殖能力の生理・生態学的研究に従事してきた。その中で、大型の卵から孵化した幼虫の方が小型のものよりも飢餓条件に強いことなどを明らかにしてきた。本種の生息地であるアフリカのサハラ砂漠で行ったフィールドワーク中に雌成虫が産卵する現場に遭遇した。一連の観察の中で、どのように群生相が行動し、交尾・繁殖しているのかを調査した。
サバクトビバッタは、深刻な農業被害をもたらす移動性害虫の一種である。西アフリカのモーリタニアから中東、インドまでの南西アジアにかけて広く分布し、約60ヵ国が農業被害に遭い、その面積は地球上の陸地面積の約20%、世界人口の約10%に及ぶとされる。このバッタが秘めている様々な能力が挙げられる。とくに、行動、形態、生理的特徴を混み合いに応じて変化させる特殊能力「相変異」を持つことである。群生相化したバッタの行動や生理的特徴を解明することで、大発生のメカニズムの理解に繋がり、新規防除技術の開発に寄与することが期待される。