ソフトクリスタルの準安定状態創製技術の開発と相転移現象の解明
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17H06375 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 17H06375
- 研究種目
- 新学術領域研究(研究領域提案型)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 理工系
- 研究機関
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- 東京大学
- 研究期間 (年度)
- 2017-06-30 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 172,510,000 円 (直接経費: 132,700,000 円 間接経費: 39,810,000 円)
研究概要
ソフトクリスタルでは、準安定状態 創製技術の開発、及び相転移現象の解明が極めて重要である。本研究では、①超解像顕微鏡のソフトクリスタル現象への適用、②結晶化前の凝集体や配向性を持った薄膜の準安定状態を作成する方法開発、③分子モデル化による相転移現象の理論計算、④ソフトな材料との複合化による新規機能開拓を行った。特に②では、ロータリーエバポレーターのマクロな機械的回転により、フタロシアニン溶液を濃縮して作製した薄膜のキラリティが、回転方向に依存することを発見した。このキラル薄膜はサーモクロミック且つメカノクロミックな特性を示し、加熱・放冷後の準安定状態から安定状態への転移挙動を明らかとできた。
“研究成果の概要”における①に相当するソフトクリスタル現象の超解像顕微鏡観察では、生細胞研究に用いられてきた技術を分子性結晶に適用しており、今後の様々な展開が期待できる。②は、メカノクロミズムの速度論的・熱力学的考察に有用であるだけでなく、新たなキラル物質合成法としての発展も期待できる。③の相転移理論計算では、理論物理と分子性結晶化学を繋いでおり、学術的意義が高いと言える。④では液晶分子と色素分子を複合化し、分子相転移を活用した新規遮熱材の原理も提案していることから、社会的意義も高いと考えられる。