どのような親のストレスが子どもの発達や健康に影響するかー前向きコホート研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17K01902 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 17K01902
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 総合系 > 複合領域 > 子ども学 > 子ども学(子ども環境学)
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2017-04-01 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 1,560,000 円 (直接経費: 1,200,000 円 間接経費: 360,000 円)
研究概要
ストレス調査票及びセルフレギュレーション質問票16項目版により評価した養育者のストレス応答行動特性と、その後1年間の子供のIgE関連アレルギー疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎・鼻炎、蕁麻疹、食物アレルギーのいずれか)の新規発症との関連につき前向きコホート研究を行った。子供が3歳の時点でこれらの疾患を持たなかった母子124組のうち、その後1年間に新規発症したのは13組であった。親の7つの行動特性(セルフレギュレーション、対象依存(失意または怒り)、不利な状況、受容欲求の非充足感、利己性、利他性)は、いずれも子どものアレルギー疾患の新規発症との間に有意な関連がみられなかった。
先行研究で小児喘息の経過に対する母親のストレス応答行動特性の関与が示唆されたが、疾患の発症への関与については不明である。本研究では喘息をはじめとするIgE関連アレルギー疾患の発症に親のストレス応答行動特性が関与するかについて、前向きコホートを用いて検討した。その結果、候補と考えられた7つの行動特性はいずれも子供のアレルギー疾患新規発症との間に有意な関連を認めなかった。ただ、実際に解析できた対象者数および転帰とした疾患の新規発症数が非常に少なかったため、今回の解析結果のみをもって結論を導くことは困難であり、規模の大きな標本、あるいはより長い観察期間に基づく研究を行うことが今後の課題として残った。