メゾスケール構造の一種であるストリーマーの理解は、プラズマ乱流において重要な研究である。九州大学の直線プラズマ装置PANTAにおいて、ストリーマーと、その構造形成に重要な役割を果たす媒介波、およびストリーマーを形作る搬送波を3次元的に計測して軸方向構造を明らかにした。また新しい解析手法により、周方向での非線形結合の確認や、周方向波数の局所空間情報を部分的に得ることができた。
核融合発電の実現にはプラズマ乱流の理解し制御することが求められる。中でもメゾスケール構造は乱流輸送に大きな影響を与え、例えばメゾスケール構造の一種であるストリーマー構造はプラズマ内の輸送を増大させ、閉じ込めを劣化させてしまう。本研究では直線プラズマに発生するストリーマー構造を数多くの計測点や様々な解析手法によって3次元的に観測し、その詳細を明らかにした。特にこれまでのスペクトル解析・バイスペクトル解析を発展させた新しい解析手法はストリーマーの構造を明らかにするだけでなく、プラズマ乱流の精密計測実験の先駆けとなり大いに波及効果を生み出す。