生物多様性保全型技術の導入動機形成と意思決定過程に関する実証分析
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- 上西 良廣
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP17K15336
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 17K15336
- 研究種目
- 若手研究(B)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 生物系 > 農学 > 社会経済農学 > 経営・経済農学
- 研究機関
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- 九州大学
- 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
- 研究期間 (年度)
- 2017-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,250,000 円 (直接経費: 2,500,000 円 間接経費: 750,000 円)
研究概要
環境保全と生物多様性に貢献する栽培技術体系(「生物多様性保全型技術」)の普及に関して、当該技術の普及主体が、技術の開発段階と普及段階における活動を通して共通して持つべき視点として、1)農業者に働きかける際にシンボルとなる生物を活用する、2)農業者から見た技術的難易度を低下させる、3)継続的に技術面、制度面に関する情報を農業者に提供する、4)農業者の経済的メリットを創出する、の4つがあることを明らかにした。このように、「生物多様性保全型技術」を速やかに普及させるために、普及センターや農協、行政などの普及主体が地域の農業者にどのような働きかけを行うか等の実践的・体系的な普及方法を提示した。
本研究では、SDGsや「みどりの食料システム戦略」などに見られるように、世界的に持続可能な農業に注目が集まる中で、日本国内の「生物多様性保全型技術」を分析対象として、実態解明と普及方法の考察を行った。特に、農業者と共同で開発した栽培技術を対象として、開発過程において各主体が果たした役割と、技術開発に協力した農業者が技術の速やかな普及を実現するにあたって重要な役割を果たしたことを明らかにした。さらに、本研究で明らかとなった「生物多様性保全型技術」の効果的な方法は、国内にとどまらず海外において持続可能な農業を実現する方策を検討するにあたって、有効な知見を提供するものである。