新興型「結節・気管支拡張型肺MAC症」の起炎菌の病原性と薬剤感受性に関する研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18590850 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18590850
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 生物系 > 医歯薬学 > 内科系臨床医学 > 呼吸器内科学
- 研究機関
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- 島根大学
- 研究期間 (年度)
- 2006 〜 2007
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,950,000 円 (直接経費: 3,500,000 円 間接経費: 450,000 円)
研究概要
近年わが国の中年女性を中心に増え続けている「結節・気管支拡張型(NB型)肺MAC症」の成因とその予防・治療法を考えるための一助として,起炎菌であるMAC菌の病原性と薬剤感受性について検討した。NB型と結核類似型(TB型)肺MAC症患者から分離したMAC菌株(NB-MAC,TB-MAC)の供試菌株(各5株)について各種細胞内での増殖能について比較検討したところ,以下の成績が得られた。(1)NB-MAC,TB-MACのTHP-1,Mono Mac 6(MM6)およびU937ヒトマクロファージ(MΦ)内での増殖能を比較したところ,THP-1 MΦ, MM6 MΦ内での増殖能はNB-MACがTB-MACに比べてやや高かったが,有意差はみられなかった。他方,U937MΦ内での増殖能には差はみられなかった。(2)A-549ヒト肺胞上皮細胞内での増殖能についても,NB-MACがTB-MACに比べてやや高い傾向を認めたが,有意差はなかった。(3)NL20ヒト気管上皮細胞への侵入性と細胞内増殖能についてみたところ,何れもMB-MACがTB-MACに比べてやや高い傾向がみられたが,この場合も有意差はなかった。(4)7HSF培地中での培養では,MB-MACはTB-MACに比べてやや高い増殖能を示した。(5)THP-1 MΦに感染した揚合の活性酸素および活性酸化窒素産生能については,NB-およびTB-MAC間で差はみられなかった。(6)TB-MACはRFPとキノロンに対するMIC値がNB型MACに比べて1/4と低い傾向を認めたが,INH, rifabutin, EB, CAM, azithromycin, SM, AMKに対するMIC値に差はみられなかった。以上の成績から,薬剤感受性に若干の差はみられるものの,NB-MACとTB-MACとの間では,MΦ,肺胞上皮細胞,気管上皮細胞への感染性と細胞内増殖のプロフィールには本質的な差異はないこと,すなわちNB型とTB型のMAC症における病態の違いは,起炎菌側の差異に帰すことは出来ないことが明らかになった。
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1040282256960789248
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- KAKEN