リーマン多様体の収束・崩壊理論の新展開
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H01118 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18H01118
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分11020:幾何学関連
- 研究機関
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- 筑波大学
- 京都大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2021-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 10,400,000 円 (直接経費: 8,000,000 円 間接経費: 2,400,000 円)
研究概要
(1)断面曲率が下に有界で、境界の第2基本形式が一様に有界であるような境界つきリーマン多様体の無限列のグロモフ・ハウスドルフ距離に関する収束や崩壊現象について研究し、極限空間の境界特異点の分類と特徴付けを始めとする幾何学をほぼ決定した。(Zhilang Zhang氏との共同研究).(2)曲率が上に有界で測地的に完備な2次元距離空間の位相特異点集合を始めとする局所構造を決定し、曲率が上に有界な多面体による近似定理やガウス・ボンネ定理を得た。(永野幸一氏と塩谷隆氏との共同研究).(3) 境界をもつ3次元アレクサンドロフ空間で崩壊するものの位相を決定した(三石史人氏との共同研究)。
閉じたリーマン多様体の崩壊理論は、Perelman によるポアンカレ予想・幾何化予想解決において重要な役割を果たした。一方で応用の観点からも境界付きリーマン多様体の崩壊の研究は重要であるが、Jeremy Wongの研究以後、我々の研究まで全く進展がなかった。我々の研究は新境地を開くものである。曲率が上に有界な空間は、幾何学的群論など関連分野は広い。しかしその局所構造は極めてワイルドなもので、これまで未解明であった。本研究により測地的に完備で曲率が上に有界な2次元距離空間の局所構造が世界で初めて解明された。これにより曲率の上界の根源的な本質を深く理解することが可能となった。