ENSO気候変動は超高層大気をどう揺らすのか:成層圏オゾンが果たす役割の解明

研究課題情報

体系的番号
JP18H01270
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)
研究課題/領域番号
18H01270
研究種目
基盤研究(B)
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 小区分17010:宇宙惑星科学関連
研究機関
  • 九州大学
研究期間 (年度)
2018-04-01 〜 2022-03-31
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
17,160,000 円 (直接経費: 13,200,000 円 間接経費: 3,960,000 円)

研究概要

エルニーニョ・南方振動(ENSO)が数百km上空の超高層大気領域(熱圏・電離圏)まで影響を及ぼす。本研究では、この数百km間の上下結合において、成層圏オゾ ンが駆動する放射・力学過程を、観測データの総合解析と高精度数値モデルを駆使して解明した。その結果、高度約20kmから約100kmの範囲において、オゾンの変動がDW2潮汐の第1対称モードを約+5%強めることがわかった。この応答は対流圏オゾンの変調によるものである。第一モードの鉛直波長はオゾン変調の鉛直厚さの約2倍である。この結果からエルニーニョによるオゾン変調は、日周潮汐に数%の影響を与えていることが分かった。

ENSO気候変動は超高層大気まで影響を及ぼす。しかし、成層圏オゾンは大気波動の重要な励起源であるが、複雑な光化学過程と関わるため大気化学の研究対象のみとされ、これまでの大気上下結合研究には扱われていない。オゾンの役割は大気圏・電離圏結合研究における空白を埋める根本的な学術的問いである。解明することにより、海面から超高層までの過程にオゾンの役割が明らかになり、放射・力学過程の両方を扱う大気上下結合研究の新しい展開が期待される。ここで得られる知見は、大気化学と大気力学の統合に繋がり、気象学と超高層物理学のさらなる連携を促すことができる。また宇宙天気や気候変動の予測へも活用できる。

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