気候変動緩和と適応の推進に向けた成層水域における水生植物による炭素貯留機構の解明
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H01545
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H01545
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
-
- 補助金
- 審査区分/研究分野
-
- 小区分22040:水工学関連
- 研究機関
-
- 神戸大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 17,550,000 円 (直接経費: 13,500,000 円 間接経費: 4,050,000 円)
研究概要
植物等の光合成を利用したCO2の吸収を促進し,気候変動を緩和しようというブルーカーボン研究が世界的になされている.現在,利用されているCO2吸収量の推定方法については,水域にどの程度の水草が存在するかを推定することで,炭素の吸収量を見積もるという簡易的なものにとどまっている.そこで本研究では,波・流れと水生植物との相互干渉による複雑なCO2の輸送機構を解明するだけでなく,閉鎖性水域において水生植物によるCO2の放出と吸収に関する現地計測を行い,水草と流動を錬成させた実スケールでの数値モデルを構築した.その結果,これまでに評価できなかった水草の効果まで含めた炭素吸収量を推定できるようになった.
ブルーカーボンの増強による気候変動の緩和を目指した研究において,水草等が存在する水域は,日射や海水への淡水の流入により,成層が形成されるだけでなく,植生の存在による流れとの相互干渉により,流況が複雑になり,CO2の吸収に重要なスカラー量の鉛直フラックスが大きく影響を受ける.本研究において,水生植物を利用した植生スケールの室内実験に基づいて数値計算モデルの開発を行い,波・流れと水生植物との相互干渉による複雑なCO2の輸送機構を解明することが出来た.研究成果は,実スケールでの数値モデルを通じてブルーカーボンの最適な評価につながり,効率の良い炭素吸収方法を提案することが可能となった.