理論と実験の結合による新規反強誘電性層状酸化物の開拓と結晶化学的チューニング
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- 赤松 寛文
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H01892
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H01892
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分30010:結晶工学関連
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 17,420,000 円 (直接経費: 13,400,000 円 間接経費: 4,020,000 円)
研究概要
本研究では、新規な層状ペロブスカイト強誘電体および反強誘電体を発見した。Dion-Jacobson型層状ペロブスカイトCsNdNb2O7およびRbNdNb2O7が室温で強誘電性を示すことを明らかにした。CsNdNb2O7は625 K以上で常誘電体に相転移することが明らかになった。一方で、Ruddlesden-Popper型層状ペロブスカイトLi2SrNb2O7が、200 K以下で反強誘電性を示すことを明らかにした。これらの層状ペロブスカイトの主な違いが層間構造であることから、層間構造のチューニングにより、誘電性の制御が可能であることが示唆された。
本研究では、新規な層状ペロブスカイト強誘電体および反強誘電体を発見した。これらの誘電性は、従来型のペロブスカイトとは異なる機構に基づく。反強誘電体は、パワーエレクトロニクスにおいて不可欠である高電場下での誘電率、電気エネルギー貯蔵、あるいは電気熱量効果などにおいて、強誘電体よりも優れた特性を示し得る。強誘電体では高電場下において誘電率が低下する。一方で、反強誘電体では、極性状態に転移する電場近傍で誘電率が非常に大きくなる。また、反強誘電体の電気エネルギー貯蔵量は、強誘電体に比べて約2倍の大きさになる。本研究で得られた反強誘電体の設計指針は、新規な反強誘電体の開発に寄与することが期待される。
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1040282256969632128
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- KAKEN
- IRDB