固体触媒を用いた革新的毒物除去プロセスの実現に向けた学術的課題の解決
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H03856
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H03856
- 研究種目
- 基盤研究(A)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 中区分27:化学工学およびその関連分野
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 45,110,000 円 (直接経費: 34,700,000 円 間接経費: 10,410,000 円)
研究概要
工場廃液に含まれる毒性金属イオンの処理工程で課題となっている水中での酸化/還元反応に対して,申請者らは担持貴金属触媒の利用が有効であることを見出した.これにより画期的な処理プロセスの構築が期待されるが,そのためには反応機構の解明と触媒の高性能化が必要で,またプラントの実現可能性も調べる必要があった.本研究ではそれらの課題に対して各種検討を行い,亜ヒ酸酸化の反応機構を解明するとともに,セレン酸還元触媒の飛躍的な長寿命化に成功した.さらに,亜ヒ酸酸化の反応速度が本研究の触媒反応速度でも実用性があり,それを用いたヒ素処理プロセスが現状のプロセスよりもトータルコストが低くなることがわかった.
人体への悪影響が大きい毒性金属イオンの処理法は,今後ますます重要になってくると考えられる.それに対して本研究は,固体触媒を用いた新たな処理法を提案し,またその実用化の可能性を検討したもので社会的意義は大きい.さらに,固体触媒を充填した反応器を用いるプロセスは,初期コストが大きくなるものの,低い運転コストによって比較的短期間の操業でトータルコストが従来プラントよりも低くなることがわかった.学術的意義としては,固体触媒上での水中での金属イオンの酸化・還元反応の反応機構を明らかにした点,およびセレン還元触媒の寿命を飛躍的に向上できた点である.