新しい対称性による数論幾何的単数の創出に向けた戦略的研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H05233
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H05233
- 研究種目
- 基盤研究(S)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 大区分B
- 研究機関
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- 慶應義塾大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-06-11 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 119,470,000 円 (直接経費: 91,900,000 円 間接経費: 27,570,000 円)
研究概要
本研究の目的は、ポリログと呼ばれる数論幾何的対象より、数論幾何的予想の解決に有用と期待される新しい motivic な単数の創出を試みることであった。研究期間内には、総実代数体に付随する「代数トーラス」と呼ば れる幾何学的対象に対して、「単数群」による同変作用を考え、これに付随する同変ポリログを構成し、総実代 数体の Hecke L関数の臨界値を生成する標準的なコホモロジー類(新谷生成類)を新たに発見し、新谷生成類と ポリログの明示的な関係も示した。またプレクティック構造と呼ばれる構造を用いて、この構成が望むmotivic な単数を与えることを示唆する、精密な予想を定式化することに成功した。
本研究は、数論幾何と呼ばれる純粋数学分野に関する研究であり、代数的数と呼ばれる方程式の解で与えられる 数について、非常に根本的な成果を与えている。古典的なRiemannゼータ関数やDirichlet L関数の一般化とし て、総実代数体に付随するHecke L関数という関数が存在する。本研究では、この総実代数体のHecke L関数を捉 える、良い幾何学的対象を見つけることに成功した。Dirichlet L関数の場合は1次元の幾何を扱っていたが、総 実代数体の場合は高次元となるので、問題が難しくなっていた。本研究では、高次元の場合、同変性を用いるこ とが肝であることを実証した。