ニュートリノ精密測定にむけた原子核乾板開発
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H05541
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18H05541
- 研究種目
- 新学術領域研究(研究領域提案型)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 理工系
- 研究機関
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- 名古屋大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-06-29 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 103,350,000 円 (直接経費: 79,500,000 円 間接経費: 23,850,000 円)
研究概要
従来の10倍規模の新規原子核乳剤製造装置を導入し、安定した原子核乾板供給体制を構築した。DsTau、FASER、SND@LHC、NINJA、GRAINE 実験に向けに2022年度に380平米、2023年は、計画目標の1000平米/年を超える1060平米の原子核乾板フィルムを供給した。原子核乾板からの飛跡読み出しをより高速にするため、倍率を下げた読み出し(HTS2)向けに現像後の飛跡のコントラスト向上の開発を2つの方法で行った。1つ目は臭化銀の大きさを大きくする開発、2つ目は通常の原子核乾板フィルムを用いるが現像主薬を変更し現像銀を太らせる現像(溶解物理現像)で、コントラストの向上を実現した。
原子核乾板フィルムを用いたニュートリノ実験、宇宙γ線観測は、1枚の厚み0.3ミリ程度で飛跡のサンプリングがサブミクロンの位置精度で測定できるため、低物質量で反応点あるいはγ線発生点直下0.3mmから極めて高精度のトラッキング、物理量測定が可能な検出器である。近年の飛跡読み出し速度の向上により、さらに多くの原子核乾板を用いることでこれらの測定・観測での高精度化、低不定性が見込める。またミューオンラジオグラフィーに供給することで透視能力の向上が期待できる。本研究課題は、従来規模の10倍量の乳剤製造装置群の整備および運用体制を構築した。各種実験への原子核乾板フィルムの供給により物理成果が期待できる。