未知語推測プロセスにおける形態素情報の役割と付随的語彙学習への効果
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- 神村 幸蔵
- 研究代表者
- 筑波大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18J20227 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18J20227
- 研究種目
- 特別研究員奨励費
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 言語学 > 外国語教育
- 研究機関
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- 筑波大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-25 〜 2021-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 2,200,000 円 (直接経費: 2,200,000 円 間接経費: 0 円)
研究概要
令和2年度は,新型コロナウイルス感染症流行のため計画通りに研究を遂行することができなかった。そのため,研究実施計画のうち,「本研究のまとめとして博士論文を執筆する」ことに重点を置いた。具体的には,博士前・後期課程で実施した実験の結果を統合的に考察し,1本の論文にまとめた。5つの実証研究を通して,(1) 大学生レベルの英語学習者は,未知語内の拘束形態素レベルの情報に対しても敏感であり,未知語の意味推論の際、未知語の構成要素を知っていれば,接辞のような拘束形態素のレベルそれらの意味を組み合わせて推論することができること,(2) 接頭辞に関する知識が利用できることが,文脈情報が有益であることよりも,未知語の意味推論に役立つこと,(3) 形態素情報は,比較的熟達度が低い学習者にも利用可能な手がかりであるが,語彙サイズの伸長に伴ってその効率は良くなること,(4) 語中の形態素情報が利用できない場合、大学生レベルの英語学習者は語句の繰り返しや,既に知っている知識(prior knowledge)を使って推論しようとすること,(5) 本研究の結果から文脈情報がそれ単体で意味推論に貢献することは観察できなかったものの,その他の手がかりや学習者の熟達度、使用ストラテジーといった要因によって,未知語推論の成功およびそれに続く学習に寄与すること,(6) 学習者は接頭辞と文脈の両面から語彙推論を行うが,紙ベースの多肢選択(paper-based multiple-choice)形式でもこのようなストラテジーの観察は可能であること,(7) 第二言語の語彙サイズテスト(vocabulary size test)の結果により,どの程度語彙推論がうまくできるかを予測することが可能であること,(8) 低い習熟度の学習者は,文脈よりも単語の形態情報に頼る傾向があることなど有益な結論を得た。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。