気孔細胞に特徴的な脂質代謝フラックスの生理学的意義の解明
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- 祢宜 淳太郎
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K06293
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18K06293
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分44030:植物分子および生理科学関連
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,550,000 円 (直接経費: 3,500,000 円 間接経費: 1,050,000 円)
研究概要
植物の葉緑体を構成する膜脂質はプラスチド経路と小胞体経路の2つの経路を介して合成される。この2つの経路の比重は組織ごとに異なり、これまで我々は、孔辺細胞は葉肉細胞と比較して小胞体経路が発達しており、小胞体経路は気孔葉緑体形成に欠かせないことを発見した。一方、なぜ孔辺細胞で小胞体経路が発達しているのか、その生理学的意義は不明である。本研究では、小胞体経路で主に合成される葉緑体脂質の1つであるガラクトシルジアシルグリセロールが気孔葉緑体形成に必須であることを明らかにした。また根組織でも小胞体経路が発達しており、地上部切除による根細胞での葉緑体形成誘導には小胞体経路が欠かせないことを見出した。
本研究で得られた知見は、葉緑体脂質合成に対する2つの脂質合成経路の寄与度すなわち、葉緑体の脂質代謝バランスが植物組織間で異なることを示しており、組織ごとの脂質代謝バランスの違いが、葉緑体の構造的特徴に影響を及ぼす可能性が示された。植物が2つの脂質代謝経路を持つ意味を理解する上で重要な布石となった。