歯肉増殖症の病態解明~spock1による蓄積と分解抑制のシナジー効果の観点から
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K09578 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18K09578
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
-
- 小区分57030:保存治療系歯学関連
- 研究機関
-
- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 3,380,000 円 (直接経費: 2,600,000 円 間接経費: 780,000 円)
研究概要
本研究は,歯肉増殖症の発生・進展の機序を明らかにし,将来的な発症予防や治療法確立へ繋げることを目指すものであり,研究期間中に以下を明らかにした。カルシウム拮抗薬によって誘発された歯肉増殖症におけるSPOCK1、TGF-β1、およびMMP-9の発現が、非増殖組織における発現よりも高いことを明らかにした。Spock1を過剰発現するトランスジェニックマウスは、明らかな歯肉増殖症と線維症の表現型を発症し、EMTの変化と正の相関があることを示した。さらにin vitroデータによってSPOCK1、TGF-β1、およびMMP-9間の三方向の相互作用が歯肉増殖を引き起こすことを明らかにした。
これまでに癌領域におけるSPOCK1の機能に関しては、比較的多くの報告があるものの、非癌性疾患においてはほとんど報告されていなかった。本研究において、非癌性疾患におけるSPOCK1のアップレギュレーションと、歯肉増殖症におけるSPOCK1によって誘発されるEMTが、いくつかの潜在的なシグナ ル伝達経路間のクロストークを介して発生sすることを明らかにした点に意義がある。SPOCK1は歯肉増殖症の新しい治療標的となり得る可能性を示し、その発現は癌性病変におけるEMT誘導の潜在的なリスクであると考えられ、今後の癌領域研究においてメカニズム解明の一助となる可能性がある。
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1040282256978094848
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- KAKEN
- IRDB