糖尿病を併存する消化器がん患者の自己報告アウトカム評価の基盤構築
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K10312
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18K10312
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分58060:臨床看護学関連
- 研究機関
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- 宮崎大学
- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2024-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,290,000 円 (直接経費: 3,300,000 円 間接経費: 990,000 円)
研究概要
本研究は、糖尿病を併存する消化器がん患者に対して、[1] PRO(patient reported outcome)を電子的に評価するシステムの開発および実行可能性の検討と、[2] 周術期から療養期の一連の過程におけるPROの経時的変化を検討することを目的としている。 対象は、糖尿病を持つ胃がんと大腸がんで、かつ手術療法を受ける者としたが、COVID-19の感染状況が落ち着かず、研究代表者の異動も重なり、目的[2]を実行するだけの対象者の確保が困難となった。そのため、目的[1]の電子的PRO評価システムの検討を行った。 1回目のプレテストで2つの課題が抽出された。一つ目はアンケート尺度/項目を選択するためのアルゴリズムが複雑であったことである。術後は入院時よりアンケート尺度数が少なく、かつ「糖尿病」があれば糖尿病に関するアンケート項目が追加され、さらに予定していた「退院日」が延期となれば、「退院時」に回答するアンケート尺度ではなく、術後から定期的に回答するアンケート尺度を評価する、療養中の測定時期に「再入院」があれば測定を中断するなど、複数のケースを想定してアルゴリズムを構成した。しかし、結果的に対象者の回答に迷いが生じ、想定以上の回答時間を費やす形となった。アルゴリズムを再考する必要がある。 二つ目は、本研究の実施施設において手術療法を受けた胃がんまたは大腸がん患者の平均年齢が65歳以上と高い傾向があり、電子端末による評価に抵抗を示す者も多かったことである。そのため、プレテストの説明資料を、文字が少なく画像を多く用いた紙媒体とすることで、タブレット操作等に関する質問回数が減少し、「操作がスムーズにできた」、「継続して測定してもよい」など肯定的な意見が得られた。今後も簡潔明瞭な説明資料の作成と簡便化にむけたePRO評価システムの検討が必要である。