市場開放下の韓国における農村社会の再編:トルニョク経営体の展開に関する実証的研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K11816 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18K11816
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
-
- 小区分80010:地域研究関連
- 研究機関
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- 東海大学
- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2024-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,290,000 円 (直接経費: 3,300,000 円 間接経費: 990,000 円)
研究概要
トルニョク経営体の当初構想は、農地の共同利用や農村内の協働を企図していたが、実際には大農グループとして発展し、機械導入の支援を受けて、農村内の作業委託の受け皿となっている。この大農グループは、高齢農等からの農地の貸与や作業委託を受けて、農村の生産基盤維持の役割を担っている。例えば近年、保険の掛け金の公的負担割合が大きい農業災害疾病保険が導入され、高齢農等の加入が増えた。この保険の資格条件が「営農者」であることから、高齢農等の作業委託が増加しており、委託の受け皿としての大農グループの役割が増している。
従来の研究では、トルニョク経営体は主に借地の拡大と関連付けて分析されてきたが、本研究では、近年の借地減少下のトルニョク経営体について分析と再評価を行っており、その点に本研究の学術的意義がある。 公的負担割合の大きい農業災害疾病保険導入を契機に高齢農等の農業回帰が進み、トルニョク経営体の大農グループは作業委託の受け皿となった。高齢農等の作業委託と大農グループの作業受託により、農村内の生産基盤が維持されている。借地比率が減少に転じた新たな局面下での分析を通じ、トルニョク経営体の生産基盤維持に関わる機能を再評価したことが本研究の成果である。