近世琉球王国における評価貿易の史的展開とその構造分析に関する研究
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- 前田 舟子
- 研究代表者
- 沖縄大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K12492 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18K12492
- 研究種目
- 若手研究
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分03010:史学一般関連
- 研究機関
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- 沖縄大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,290,000 円 (直接経費: 3,300,000 円 間接経費: 990,000 円)
研究概要
本研究は、近世期(1609-1879)に琉球と清国との間で行われた「評価貿易」の実態解明を試みたものである。琉球の貿易と言えば一般には「進貢貿易」を指すが、この「貿易」は、琉球の清国への朝貢に付随して福州琉球館で行われた「開館貿易」に由来する。一方の評価貿易は、冊封使一行が琉球に来航した際に那覇で実施した貿易のことを指す。琉球史研究では評価貿易のことを「冠船貿易」と通称しているが、それは、冊封使の乗る船(冠船)で運んできた商品を那覇で取引(評価)したからである。本研究では、尚家文書史料の「評価方日記」などから実態を明らかにし、評価貿易の諸相を明らかにした。
琉球と清国の対外貿易と言えば「進貢貿易」を指すが、これは琉球使節が皇帝に貢ぎ物を進呈する「朝貢(進貢)」と、滞在先の福州琉球館で行う「開館貿易」を合わせた外交業務のことである。これに対し、冊封使節団が来琉した際、那覇で冊封使一行と琉球役人とが商取引を行ったことはあまり知られていない。琉球史研究ではこれを「冠船貿易」と呼ぶが、その取引を担った福州商人らはそれを「評価」と呼び、福州語で「はんがー」と発音していた。この用語は琉球に定着し、商品査定や商取引の意味で用いられた。本研究では、一般にはあまり知られていない「評価貿易」について、「評価方日記」を中心に実態解明を試みた。