近代建築家ヴァン・モリヴァンのカンボジア内戦期における活動に関する研究
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- 岩元 真明
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K13913 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18K13913
- 研究種目
- 若手研究
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 小区分23040:建築史および意匠関連
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2024-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,160,000 円 (直接経費: 3,200,000 円 間接経費: 960,000 円)
研究概要
第一に、1971年にヴァン・モリヴァンがカンボジアから亡命した直後の軌跡が詳細に明らかになった。またモリヴァンがスイスにて設計に関わった建築が明らかになった。第二に、1979年から91年にかけて国連職員としてモリヴァンが関わった仕事の一角が明らかになった(Bujumburaにおける計画など)。第三に、1991年から2017年にかけてカンボジア和平成立後の復興期におけるヴァン・モリヴァンの活動が3つの観点から明らかになった。①アンコール・ワット世界遺産登録およびアンコール地域保全に関する貢献、②建築家としての仕事(プノンペン中央市場増築等)、③東南アジア都市に研究活動。
2017年9月に亡くなったクメール人近代建築家ヴァン・モリヴァンの生涯にわたる活動を把握しようとする本研究は、建築史・意匠研究分野の作家論として位置づけられる。日本や欧米においては、第二次世界大戦後の近代建築に関する研究は進展が著しい。しかし、東南アジアにおいては戦後の建築史研究はこれからの課題であり、長きに渡る内戦の影響を受けたカンボジアは研究上の空白域のひとつである。このような中で、クメール人初の公認建築家であり、カンボジアの近代建築の「父」とも称される建築家ヴァン・モリヴァンの活動を把握することは建築史的にきわめて重要である。