思春期特発性側弯症に伴う腰痛の特異的な発症メカニズムの解明
-
- 幸 博和
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18K16665
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18K16665
- 研究種目
- 若手研究
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
-
- 小区分56020:整形外科学関連
- 研究機関
-
- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2023-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,030,000 円 (直接経費: 3,100,000 円 間接経費: 930,000 円)
研究概要
思春期特発性側弯症(AIS)患者の歩行時の左右の傍脊柱筋および大殿筋の表面筋電図による解析では、筋活動量に左右差は認めなかったが、AIS術後においては、歩行時の大殿筋の筋活動に左右差を認めた。また、健常者を対照群として比較したところ、筋活動量および筋活動パターンに有意差を認めなかった。さらに、AIS術前、術後の歩行動作における体幹偏位量を測定すると、矢状面上の体幹前後傾運動に左右差を認めた。この結果は、術後に脊椎アライメントが変化することで、歩行時に体幹部のバランス保持のために作用している傍脊柱筋と大殿筋の相互作用に変化が生じ、その結果として腰痛発症に影響を与える可能性があることが示唆された。
これまで思春期特発性側弯症(AIS)における腰痛の病態に関して確立された見解はなく、我々はAIS症例にて左右が非対称性となっている傍脊柱筋の電気生理学的な評価を行うことで、AIS特有の腰痛発症メカニズムを解析した。AISに限らず、高齢者の変性側弯や後弯症における腰痛においても傍脊柱筋の筋活動が関連している可能性についても同様の解析による評価を行うことにより、腰痛の病態解明や治療法の開発にもつながる可能性がある研究であったと考える。