先住民の視点からグローバル・スタディーズを再構築する領域横断研究
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18KT0005
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
- 研究課題/領域番号
- 18KT0005
- 研究種目
- 基盤研究(B)
- 配分区分
-
- 基金
- 審査区分/研究分野
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- グローバル・スタディーズ
- 研究機関
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- 大阪大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-07-18 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 13,650,000 円 (直接経費: 10,500,000 円 間接経費: 3,150,000 円)
研究概要
世界の先住民が取り組んでいる、遺骨副葬品返還要求、博物館における文化提示への改善要求、言語と文化教育への要請という現象を調査研究した。その結果、世界の先住民運動は、ICTなどの共通のコミュニケーションツールを用いながらも、グローバル化は、決して世界の均質化を引き起さず、むしろ文化の多様性の尊重と独自性に関する歴史的反省を全世界に発信している実態が明らかになった。国民国家は領域内の先住民のグローバルなネットワーク化を支援し、かつ、先住民と国家との連携や和解にむけて動く責務があり、また公教育の中に先住民学を組み込んで、言語と文化の多様性を担保する必要性が明らかになった。
この研究の学術的意義は、グローバル・スタディーズの従来の学問的姿勢を批判し、この枠組を近代の普遍化の発想からではなく、先住民という周辺からの声や眼差しに応える理論的成果を出したことにある。先住民言語教育運動や、遺骨や副葬品等の返還運動のグローバルな現状と課題を明らかにした。先住民をエージェンシーと捉えることにより、実践者としての研究者と先住民との研究倫理の枠組みを変化させ、それが何であるかを具体的に示した。その社会的意義は、新しい「先住民学」の教育の場をデザインできるような知識基盤コミュニティの構築について構想し、その具体的な提案を示すことができたことにある。