東シナ海陸棚斜面域の海底に超音波ドップラー多層流向流速計を設置し、その直上に乱流微細構造プロファイラーを投入することによって、乱流運動エネルギーの生成率と散逸率を同時に計測する。両者の差から乱流混合に使われたエネルギーを算出し、乱流運動がもたらす鉛直方向の密度フラックスを明らかにする。その収束・発散から、海底混合層内を斜面沿いに移動しつつ密度躍層へと湧昇し沖側へ戻る二次元循環の大きさを定量的に見積もる。観測結果をもとに、三次元非静水圧モデルを用いて数値シミュレーションを実施し、海底混合層内における懸濁粒子の斜面沿い方向の輸送量ならびに、海底混合層から密度躍層への懸濁粒子の輸送量を明らかにする。