合金部品を製造する方法のひとつとして,各金属粉末を混合,成形し,焼結する方法がある.この方法はコスト削減や部品の材質改善に有効であるが,焼結中の元素の拡散や微細構造の変化は複雑であり,材料加工プロセスとして不明の点も多い.申請者はこれまで粉体が焼結していく過程を解析する手法を開発してきたが,これをさらに拡張し,元素拡散とそれによる微細構造変化を扱えるようにする.合金部品の焼結プロセスに適用可能な計算手法を新たに構築することで,異種金属の混合粉末の焼結や合金化の過程を明らかにするとともに,焼結合金部品の寸法形状や微細構造の予測,さらにはそれらの制御を可能とする手法を確立する.