上皮細胞が接着を維持しながら運動する様式を集団細胞運動と呼ぶ。集団細胞運動は、正常発生過程のみならず、がん細胞の浸潤・転移の過程でも観察され。個々の細胞が自由に運動する場合と異なり、細胞集団が効率良く運動するためには、集団を形成する細胞が運動の方向性やスピードを協調させる必要がある。本研究提案では、張力依存的に起こるAJの構成要素のリモデリングと細胞内生化学的シグナ ル(RhoAやERKの活性および細胞内Caイオンの変化)の間に存在するブラックボックスについて、最新の近位プロテオミクス技術およびイメージング技術を駆使し、集団細胞運動の全容解明を目指す。