多発腫瘍の発症は Field cancerization(広域発癌)(Slaughter, 1953)の概念で説明され、近年の分子研究の発展によりメカニズムは分子学的に解明されつつある。しかし、治療への応用には至っておらず、生存率の向上もみられていない。本研究では、Field 形成と発癌に関与しうるゲノム不安定性およびエピジェネティック異常に着目し、口腔多発癌症例の臨床検体より Field cancerization の発症機構を解析する。