ラジカル解離型フォトクロミック系の光誘起表面レリーフ構造の形成メカニズムと機能化

研究課題情報

体系的番号
JP21021009 (JGN)
助成事業
科学研究費助成事業
資金配分機関情報
日本学術振興会(JSPS)

科研費情報

研究課題/領域番号
21021009
研究種目
特定領域研究
配分区分
  • 補助金
審査区分/研究分野
  • 理工系
研究機関
  • 横浜国立大学
研究期間 (年度)
2009 〜 2010
研究課題ステータス
完了
配分額*注記
4,600,000 円 (直接経費: 4,600,000 円)

研究概要

本年度はヘキサアリールビスイミダゾール(HABI)誘導体のアモルファス薄膜において光誘起表面レリーフ(PSR)形成を確認し,そのPSR形成は物質移動に起因すること,およびパターン露光の際の明部と暗部における物質量変化に起因した化学ポテンシャル勾配により物質移動が起こることを明らかにした。さらに,PSR形成における置換基効果について比較するため,HABI誘導体(p-MeO-HABI,p-EtO-HABI,p-NO_2-HABI,p-CN-HABI)を合成し,各HABI誘導体のTPIRへの光解離度とPSR形成時の凹凸高低差の関係について検討した。HABI誘導体では明部から暗部への物質移動によりPSR形成することが確認され,PSR構造の凹凸高低差は照射光強度および照射時間に依存することが分かった。ESR測定により,各HABI誘導体薄膜中のTPIR生成量(光解離度)は照射光強度に依存することが分かった。同一の照射条件下において,TPIR生成量の多い,すなわち光解離度の大きい誘導体(電子供与基を置換した誘導体)ほどPSR形成時の凹凸が大きいことが分かった。HABI誘導体は光照射により生成するTPIRが高い酸化力をもつ反応活性種であるため,光記録を目指すフォトクロミック材料としては研究の対象外とされてきたが,1分子のHABIから2分子のTPIRを生じることに着目し,物質量の差に起因した化学ポテンシャル勾配がPSR形成の物質移動に起因していることを提案し,物質量変化を制御することでPSR形成効率の向上がみられることを見出した。これらの結果は,PSR形成方法の一つの方針を提起し,PSR形成効率向上を目指した分子設計指針につながると考えられる。

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