近代英文学における日本の表象に関する実証的研究
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- 原田 範行
- 研究代表者
- 慶應義塾大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP26370296 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 26370296
- 研究種目
- 基盤研究(C)
- 配分区分
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- 基金
- 審査区分/研究分野
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- 人文社会系 > 人文学 > 文学 > 英米・英語圏文学
- 研究機関
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- 慶應義塾大学
- 東京女子大学
- 研究期間 (年度)
- 2014-04-01 〜 2020-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 4,420,000 円 (直接経費: 3,400,000 円 間接経費: 1,020,000 円)
研究概要
17世紀後半から18世紀初頭にかけてイギリスで刊行された定期刊行物や文学作品には、実際の交易が大幅に制限されていたにもかかわらず、きわめて多くの日本表象がある。それらの中には、ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』やジョナサン・スウィフトの『ガリヴァー旅行記』のように、小説の発達、ひいては近代英文学史そのものの形成に深く関与した作品も含まれている。本研究は、こうした日本表象を網羅的・体系的に明らかにすることで当時のイギリス文化史における日本表象の重要性を確認するとともに、そうした日本表象が、散文フィクションの構築と近代英文学形成に果たした役割を明確にした。
本研究の成果は、第一に、特に市民社会の形成と海洋進出を特徴とする17世紀後半から18世紀初頭のイギリスにあって、従来看過されがちであった日本表象の持つ重要な意味を明らかにしたこと、第二に、そうした日本表象が当時の代表的な文学作品の作品世界を支えていることから、イギリス小説発達史における重要な意義を考察して示したこと、第三に、こうした日本表象の影響は、18世紀末までしばらく継続し、それがイギリスの対日観形成にも深く関わっていたことを確認したこと、そして第四に、いわゆる鎖国下におけるこうした日英交流の実態を明らかにすることで、世界における日本の位置を考える重要な視点を提供したこと、である。