E6×SU(2)超対称大統一理論の現象論
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- 高山 健一
- 研究代表者
- 名古屋大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP12J05354 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 12J05354
- 研究種目
- 特別研究員奨励費
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 数物系科学 > 物理学 > 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
- 研究機関
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- 名古屋大学
- 研究期間 (年度)
- 2012 〜 2014-03-31
- 研究課題ステータス
- 採択後辞退
- 配分額*注記
- 1,800,000 円 (直接経費: 1,800,000 円)
研究概要
超対称性は、標準模型の階層性問題を解決するなど多くの魅力がある模型であるが、未だに実験的な兆候はない。また近年のヒッグス粒子の発見によって、超対称性の破れのスケールが少なくとも数TeV程度にあると予想されている。これによって弱い階層性問題がより深刻になっている。また宇宙論からの制限としてグラビティーノ問題があるが、これは一般的に超対称性の破れのスケールが小さいほど深刻になり、弱い階層性問題と相反する傾向にある。 私たちは、グラビティ伝達とアノマリー伝達が共存し、アノマリー伝達の寄与がある程度大きいことによりグラビティーノ問題が発生しないような状況を考える。このとき、グラビティ伝達の量子補正の寄与はアノマリー伝達の寄与によってある程度相殺され、見かけのカットオフスケールが小さくなる。このような状況はミラージュ伝達模型によく似ているが、私たちの模型ではミラージュ伝達のように特別な境界条件ではなく、より一般的な境界条件の適用が可能となる。これによって、例えばE6×SU(2)大統一理論に基づいた自然な超対称スペクトラムが適用でき、また将来的に超対称粒子の質量を測定することができれば、D項を含んだ大統一理論の兆候を直接観測できる可能性を持っている。A項も同様に自由度があるので、ストップ質量を大きくしすぎることなくヒッグスが重くなるようなA項を実現することも可能である。またこの模型では、ヒッグス場の量子補正が小さくなることに合わせて、2つのストップ質量が縮退する傾向にあるといった特徴もある。
(抄録なし)