新規数理モデルによるらせん高分子高次構造体の光学活性反転現象の機構解明
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- 鈴木 望
- 研究代表者
- 奈良先端科学技術大学院大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP13J10001 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 13J10001
- 研究種目
- 特別研究員奨励費
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 化学 > 複合化学 > 高分子化学
- 研究機関
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- 奈良先端科学技術大学院大学
- 研究期間 (年度)
- 2013-04-01 〜 2016-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 2,700,000 円 (直接経費: 2,700,000 円)
研究概要
キラル分子の集積機構を明らかにし、高次構造に及ぼす分子の幾何的な影響を明らかにするために(1)シリコン原子を含むモデル分子約40種の最安定構造・振動数・エネルギーを量子化学計算MP2/6-311G(d,p)のレベルで得た。(2)(1)の最安定構造・振動数・エネルギーに合う様にMMFF力場のパラメータを最適化した。最適化には独自に開発したプログラムを用いた。(3)得られたパラメータを元に周期pと直径Dを得、実験結果と比較した。 コレステリックハードコアモデルによればp/Dの値がπ(~3.14)よりも大きければ高分子集合体の巻き性は高分子の巻き性の反対、πよりも小さければ同じ巻き性を示すことが予測される。p/Dを見積もるために(a)~(c)の三つの方法を取った。 (a)半経験的量子化学計算PM3を用いて図1の化合物(14量体)の構造を最適化した。このとき、Si-Si-Si-Si(H)=155、側鎖基はall-transとした。(b)上記の MMFF力場のパラメータを用い、CONFEX法を用いた配座探索を行い、最も安定な構造から、pとDの値を得た。(c)既に報告されている化合物(図4)の広角X線散乱の結果より得られたpとDの値から今回の化合物(図1)の値へ外挿することによりpとDを得た。 (a)~(c)より得られた結果と実験結果を比較すると、全ての結果においてp/Dの値が比較的大きければ高分子集合体の巻き性は高分子の巻き性の反対、比較的小さければ同じ巻き性を示すという点に於いてはモデルと一致した。しかし、その反転するPSi2のp/D値は(a)では3.14より小さく、2.0という値を示した。また、(a)では配座の自由度を無視していることから(b)のような配座探索を行って構造因子pとDを決定することが求められる。実際、配座の自由度を最適化した(b)ではるPSi2のp/D値は3.1となり、モデルと良い一致を示した。更に類似した化合物から予測される実験PSi2のp/D値も3.2となり、モデルと良い一致を示した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
27年度が最終年度であるため、記入しない。