本研究は、1920年代から30年代にかけての日本の地方都市(下関市、呉市、長崎市、佐世保市、仙台市など)において、都市社会問題に対処し、また都市開発のために建設された社会資本をめぐって発生した諸集団(行政、政治家、企業、地域住民)間の対立と協働の社会・政治過程を明らかにすることを目的とする。この作業を通じて、急速な都市化と大衆化が進んだ当該期における、「公」と「共」と「私」の関係性の特質とその構造転換についても考察を深めたい。