本研究は、結晶材料の塑性変形を担う線状欠陥である転位運動を直接観察可能な高速電子顕微鏡法の開発に取り組む。高速カメラの開発等、透過電子顕微鏡の撮像速度は近年飛躍的に向上しており、遅い転位運動であればその動的観察の実現が期待できる。しかしながら1フレームあたりの最大ドーズ量には制約があり、極低信号画像から目的の情報を抽出する画像処理技術が必要とされる。そこで本研究では機械学習を用いた転位線抽出アルゴリズムを開発し、信号量不足を克服する。これにより、ミリ秒オーダーでの転位運動観察を可能にし、転位運動ダイナミクスの解明へと繋げる。