申請者らは、直射日光の届かない林床にのみ生育可能な植物種の多くは、柵状組織細胞が逆円錐形であることをみいだした。逆円錐形の細胞をもつ植物の葉構造は、一般的な植物とは異なり、細胞層が少なく、細胞同士の間に空間が多く存在していた。この新発見の葉構造は、少数の細胞で構築されていることから、葉を展開・維持する上で省エネルギーな構造であると考えられる。そこで本研究では、逆円錐形の柵状組織細胞をもつ植物にみられる葉構造について、その力学的特性を明らかにすることを目的とする。また、得られた知見をもとに、省エネな葉構造を模倣し、新たな空間構造システムの構築の創製を目指す。