磁壁移動型メモリは個体メモリとハードディスク双方の利点を有する安価かつ高性能な将来の情報記録デバイスとして期待されている。本研究では磁壁移動を利用した高速で動作する次世代の超高密度情報記録技術実現のため、磁気と電子スピンとの関係を決定付ける物質定数を独自の方法で見積もり、磁壁移動の基礎物理を定量的に明らかにするとともに将来の超巨大容量情報記録デバイスの要素技術を確立する。また、垂直磁化膜における磁壁移動実験とこれを模擬したマイクロマグネティックシミュレーションを併用し、磁壁構造変化に伴う磁壁移動速度の不安定性を解消するとともに磁壁ダイナミクスを直接的に観測する。