組織線維症の本質的な治療は、線維化組織に増勢する筋線維芽細胞や活性化星細胞の標的化による活性化の抑制である。これまでに申請者は、死細胞デブリスに含まれるO-GlcNAc化タンパク質やこのタンパク質を模倣したGlcNAc糖鎖高分子が、筋線維芽細胞や活性化星細胞の細胞表面ビメンチンに結合して抗線維化効果を引き出すことを見出してきた。本研究では、非アルコール性脂肪肝線維化モデルマウスやブレオマイシン誘導肺線維症モデルマウスに対するO-GlcNAc化タンパク質やGlcNAc糖鎖高分子による線維化改善効果を検討し、新たな組織線維症の治療戦略構築を目指す。