メルケル細胞癌MCCは、約80%でMCPyVにより発癌するが詳細機構は不明である。申請者は、MCPyV陰性例において癌シグナル経路の活性化、H3K27me3ヒストン修飾の低下を認め、予後不良となることを報告しMCCの病態を遺伝子変異、遺伝子発現前のエピゲノム異常、タンパク発現・修飾異常を体系的に明らかにしてきた。腫瘍組織を構成する微小環境には高度な不均一性がありそれらが腫瘍細胞における遺伝子変異・エピゲノム状態、遺伝子発現状態の多様性をもたらすることが明らかとなってきた。本研究は形態情報とマッチさせた空間マルチオミクス解析を単一細胞レベルで行い腫瘍細胞の集合体としての腫瘍の性質を解明する。