従来、安全保障史の視座から扱われることの多かったフランスの原子力政策を、経済史的・社会史的な視点から捉えなおすことを目的とし、研究計画を以下のように設定する。まず、フランスにおいて、エネルギー政策・原子力政策の立案に深くかかわった、3機関(計画庁(Commissariat du Plan)エネルギー委員会、原子力庁(CEA),原子力発電委員会(Commission PEON))の史料を丹念に読み解とき、原子力主力化政策がいかなる要因によって形成されたのか特に経済的な側面から再検討を行う。また、原子力発電所の設置には地域の理解と合意が欠かせないが、フランスがいかにこの問題に対処したのか分析する。