高齢者の歯の変化として、第二・第三象牙質の添加による歯髄腔の狭窄が挙げられる。老年人口の増加から、根管が狭窄した治療困難な歯は、今後も増加していくと考えられ、歯髄腔狭窄のメカニズムの解明が求められる。これまでに申請者らは、ラットの象牙芽細胞層においてドーパミンおよびドーパミン受容体が発現し、さらにドーパミンが、前象牙芽細胞の象牙芽細胞関連因子の発現と石灰化物形成を促進することを報告している。そこで本研究では、象牙芽細胞においてドーパミンが象牙質を形成していると仮説を立て、その下流のシグナルとその制御機構を詳細に検討することで、第二・第三象牙質形成の制御機構のメカニズムの解析を目的としている。