供述証拠が、直接証拠にせよ間接証拠にせよ、過去の一回限りの出来事をその供述内容とするものであるとき、①知覚・記憶・表現・叙述という供述が表出する過程の各段階の誤りの危険性と、②刑事手続における供述採取のあり方、そして③同手続における供述評価のあり方とは、どのような相関関係にあるか。本研究は、供述過程、供述採取、そして供述評価という三つの側面から、刑事手続における近年の供述の扱いについて総合的に検討したうえで、供述をめぐる捜査法と証拠法のあり方について具体的な提言を行うものである。