食道蠕動は口側収縮と肛門側弛緩(拡張)との協調運動によって構成される。本研究では、食道拡張障害の起因する食道運動機能障害の実態と分子機構を解明する。第一に食道拡張機能の評価を可能としたDistention-contraction plot法の日本人における正常値を確定する。第二に食道拡張機能の評価におけるおにぎり食道透視検査の有用性を明らかにする。最後に臨床検体を用いてヒト食道平滑筋特有の収縮弛緩制御の分子機構と破綻機序を解明すると共に食道運動の数理モデルを用いた食道運動の包括的理解を目指す。