我々の体や器官の表面を覆う上皮細胞シートは、外界からの異物の侵入や水やイオンの漏出を防ぐバリアとして機能する。このバリア機能の分子的実体は、タイトジャンクションと呼ばれる細胞間接着構造である。タイトジャンクションの破綻は、バリア機能に異常が生じ、アトピー性皮膚炎や炎症性腸疾患の原因となる。上皮細胞シートにおいて、二細胞間だけでなく、三細胞間領域においても、密に細胞同士が接着する必要があるが、二細胞間に比べて、三細胞間領域の接着形成機構は不明な点が多い。本研究では、三細胞間での細胞間接着機構の解明を目指す。