脊髄損傷で実は、遠位の脳機能の一部、学習・記憶などの認知機能障害も見られ、脊髄での炎症等が収束した慢性期でよりシビアであるが原因は不明である。今回応募者は、脊髄損傷と海馬ニューロン新生低下をつなぐ鍵因子として腸内細菌叢が重要であるという仮説を立てた。本研究ではこの仮説を基に、責任候補細菌の同定、除去、移植などにより、脊髄→腸→脳という異組織連携の様式を理解し、腸内細菌叢制御による、脊損誘発性認知障害改善法を創発する。本研究は、類似の既存研究は存在しないため挑戦的・萌芽的であり、基礎生命科学的だけでなく、老化による認知障害などへの利用も考えられ、応用面においても意義あるものと考える。