調和解析の数値計算において、データの有限性から生じる打切り誤差の問題を一般に解決する新規数学理論の検証と実装を行う。よくあるケースに、変換前の構造がコンパクトサポートを持ち、離散点上のフーリエ係数の一部がデータとして与えられた状況があるが、このケースの応用上の重要性は、X線回折・Cryo-EM・粉末結晶構造解析などがこの状況に該当することからも分かる。すでに得られた手法の検証に加え、表現論・最適化・解析数論といった数理の知見を構造復元に利用する理論開発を実施する。開発手法を実際の回折・散乱データの解析に利用できるようにする。