豊富に存在する有機化合物や単純な炭素資源から高付加価値な化合物をグリーンな有機反応で提供することは重要である。芳香族アミン類やアルケンは豊富に存在するため、これらを対象とした有機反応の合成的利用価値は高い。本研究では、高難度で変換手法が限定的であった芳香族アミン誘導体の炭素-窒素結合の切断を伴う反応の開発を目的とする。特に、芳香族アミン誘導体を芳香環と含窒素官能基を供給する反応剤と捉え、光エネルギーを用いるアルケンの二官能基化反応の開発を目指す。本反応により、入手容易で豊富に存在する原料から、生理活性物質や医薬品の主要な分子骨格でもある多彩な含窒素化合物の効率的な供給が可能となる。