ラビリンチュラ類はステロールやプロビタミンD3を合成し、高度不飽和脂肪酸であるDHAとのエステル体(ステロールエステル、SE)として高レベルで蓄積する、稀有な性質をもつ有用微生物である。本研究では進化的な起源が従来酵素とは全く異なる新しいSE合成酵素の構造と活性制御機構を解明することを目的とする。脂質代謝酵素の反応機構に関する新しい知見や、ラビリンチュラ類を用いた脂質生産の向上に寄与する新規因子の発見などに繋がることが期待される。また、予備実験で見出した、これまでの報告例とは似て非なるリポファジー様の現象についての詳細を明らかにし、未解明であったラビリンチュラ類の脂質分解機構の解明を目指す。