ブレオマイシンやアミオダロンなどの医薬品は、高頻度で間質性肺炎を引き起こし、薬剤の中止や患者の生活の質の著しい低下を招くだけではなく、致死的な場合もあるため、医療現場では切実な問題となっている。しかし、薬剤性間質性肺炎の発症メカニズムは十分に明らかになっておらず、有効な予防/治療法も国内外において未だ十分に確立されていない。本研究では、炎症状態の指標となる末梢血好中球/リンパ球比に着目し、診療録より収集解析を行い、バイオマーカーとしての有用性を評価する。さらに、培養細胞や動物モデルを用いて発現機序を解明し、その機序に基づいた予防薬の探索を行い、新たな薬剤性間質性肺炎の予防法開発を目指す。