広大な太陽圏境界のどこで宇宙線異常成分が加速されるのか、また圏外からの銀河宇宙線の侵入過程に太陽圏構造がどのように寄与するのか、という2つの本質的な問題の解明に挑む。太陽圏のグローバル3次元構造を高精度磁気流体計算で再現し、これと有機的に結合した2種類の大型粒子計算を展開する。フル粒子計算では終端衝撃波における宇宙線異常成分の加速機構・効率を明らかにする。テスト粒子計算では圏外からの銀河宇宙線の侵入~地球への輸送過程を粒子軌道レベルで解き明かす。以上により、宇宙線加速の標準モデルとされる衝撃波粒子加速モデルの改良と、地球で観測される宇宙線の太陽モジュレーション効果の高精度モデルの構築を目指す。